G型

最終更新: 2005-9-30 作成: 2004-7-20

G型(200型)

経緯

昭和5年4月5日認可を受け，10両(201〜210号)の半鋼製4輪車が昭和5年6月18日に竣工しました。日本車両製で当時の標準的な形態をしています。

車体関係

外観：正面は3枚窓で腰板中央に前照灯を設置。正面のRはE型より深く，車端の絞りはありません。側面の扉と窓配置はD8Dで，ドア間の8枚の窓はE型と異なり全て同一寸法となっています。屋根はシングルルーフでアーチはE型より浅くなりましたが，幕板が広がり，窓高さが低くなっています。ベンチレータはガーランド形で，4箇所。他都市の車両と比較すると，扉高さと窓高さがそろっているのはシャープなのですが，その分幕板の厚みが強調され，車体長が短くなったこともあって，ずんぐりとした印象の車両となりました。全長8,500mm車体幅2,270mm自重9.4tとE型より長さ，幅とも小さくなっています。

一般：台枠，骨組，外板に鋼材を用い，外板の鋼板は鋲で留められています。台枠がフラットな構造で，床面高さは717mmでした。製造は名古屋の日本車両が担当しています。

窓・戸：正面窓，側面窓とも下降窓で，窓枠は木製，隅にRはありません。日除けは鎧戸です。扉も木製で，車体中央方向へ引く引戸となっています。

車内設備：座席は扉間の窓6枚分の長さで，座席定員は20名。定員は48名です。室内灯は3箇所。

機器関係

主電動機・駆動装置：東洋電機製造製TDK-518-1で20kW×2台。駆動装置は釣掛式で歯車比は69:13となっています。

制御装置：東洋電機製造製DB 1型K-14式。直接式で電気制動付き。

ブレーキ装置：手用(ハンドブレーキ)と電気の2種類です。

集電装置：トロリーポール式で，架線が複線架空線式のためダブルポールとなっています。

台車：日本車両製のS型台車で輪距はA型と同じ7ft6inch。車輪径は660mm。E型の項で述べたとおり，台車は振り替えていると思われます。

変更点

昭和9年10月13日には架線が単線架空線式となり，シングルポール改造が竣工しました。

昭和13年11月11日の千田車庫火災で207号が全焼しました。復旧の際，扉を引戸から折畳式に，鎧戸はカーテンに，木製屋根は鋼製屋根に，ガーランドベンチレータは回転型ベンチレータに変更し，昭和15年1月19日に変更認可，1月25日に竣工しています。

昭和16年12月17日認可で，救助器をパーメンタフェンダーからロックフェンダーに変更しました。

昭和17年3月3日に白島線での菱形集電装置(パンタ)試験の認可が出ています。対象は203号であるが，写真で残っているのは201号であり，また209号がビューゲルをつけている写真が残っています。

昭和18年10月26日認可で破損防止のため前照灯を屋根に上げる改造を実施しました。

昭和29年10月30日認可でエアブレーキ化を行い手用は省略することになりました。

昭和38年〜41年にかけて全車廃車しています。

車歴表