F型

Last-Modified: 2004-11-30 Since: 2004-7-18

F型(1020型)

経緯

宮島線は大正14年7月15日に廿日市町〜地御前仮駅まで開業しました。途中の廿日市町〜宮内間では用地買収ができず，切り通しを隧道に変更し，宮島線唯一のトンネルとなりました。また地御前より先では，地御前神社の境内を避けるため，海側に迂回する形に変更となりました。このため本来の地御前停留所より西側に仮の停車場を設置して開業しました。この開業に合わせ，6月24日設計認可，9月30日に木造ボギー車5両(モハ11〜15号)が竣工しました。1年後，仮駅の手前から左にまわり，現在の西広島バイパスと接する付近に設置した新宮島駅まで延長開業しました。

車体関係

C,D型と同型の，シングルルーフの木造ボギー車で，梅鉢鉄工所が担当しました。 半鋼製のE型を製作した後にもかかわらず木造となりました。

機器関係

主電動機・駆動装置：三菱電機製のMB-86-Aで37.3kw×2台。駆動装置は釣掛式で歯車比は77:18となっています。

制御装置：直接式で電気制動付きの三菱電機製のKR-8

ブレーキ装置：手用，電気のほか，空気ブレーキはクノールだったようです。

集電装置：C型と同一でした。

台車：C型と同じ日本車両のA型台車で，車輪径は34inchと1inch大きくなりました。

車内設備：座席定員は36名，定員60名。合図装置は電鈴となっています。

変更点

昭和10年11月18日認可で暖房装置を新設しています。

昭和14月8月18日にモハ1020〜1024号に改番しました。

昭和14年10月25日に己斐−千田町間の直通認可をとっています。

昭和16年8月13日認可でトロリーポールをパンダグラフに変更。

昭和18年1022号が事故により大破し，休車となりました。

昭和26年4月の改番で，1020号を1022号に，1022号を1025号としましたが，1025号は大破したままで復旧せず，昭和27年3月27日に廃車となりました。

残りは昭和38年から昭和41年に廃車となりました。

車歴表