●　不親切な2000型，3100型乗車ガイド　●

最終更新: 2007-6-3 作成: 2004-9-24

広島市の花「夾竹桃」の帯を巻いた電車の手引き

運用

特定の運用があるわけではないが，次の列車に入る確率が高い

2000型

外観

2002+2003　昭和35年ナニワ製，パンタ台は原型を改造したもの。台車が側受けで荷重を受けるNS-504

2004+2005　昭和37年自社製，2004は窓上部のRが大きい。2005は台車の切欠きのRが上部が小さく下部が大きい

2006+2007　昭和37年自社製，2007は台車の切欠きのRが上部が小さく下部が大きい。よく走る

2008+2009　昭和38年自社製，連結面の空気配管と電気配線が他車と逆

内装

2002+2003　床が緑色のリノリュウム張り。車掌合図ベルの引き紐の跡がのこる。背もたれのクッションが薄い。扉下部に段差がある。扉の窓に自動扉の文字がある。運転台のテーブルが小さい。

全車あとから網棚を追加したが，窓があまりに大きいため，網棚の取り付け位置が，窓上面より低い。カーテンをどうやってつけているかは，現車で確認あれ。

乗車時

鴨居が薄いためドアエンジンが旧式。エアが込められた瞬間ブリッと鳴く。

勾配で停車して扉を開閉すると，開く速度と閉まる速度が異なる。ドアが勢いよく閉まるとドアがバウンドして再び開いてしまう。

停車直前，扉をあまり早く開けると，電制が切れてオーバーランする(ドア開により制御が切れるため)。

立席

進行方向1両目後方のHポール付近がお勧め。なにもつかまらずに何分たっていられるかな。Sカーブで試してみてつかーさい。

座席

連結面の元かぶりつき席がお勧め。2名分の座席の座面が高くなっている。座席下にはエアタンクがあり，コンプレッサが動作するたび振動が伝わる。

運転台

運転台のブレーキ弁のヒータとして，なんと白熱灯を利用しています。運転台のテーブルに内蔵しており，光が漏れて双針式圧力計を照らすのは幻想的でもあります。

速度計は電気メータみたいな形でしたが，ATS改造のときELつき広角メータになりました。

運転台のキースイッチが前照灯尾灯切替に連動していないため，切り替え忘れるとホタルになっちゃいます。

貫通路

貫通路の扉は窓がなく手前(車内側)に開く。バネが入っていて勝手に戻る。

Sカーブではオーバーハングが長いため大幅にずれて危険なので，車掌台のスイッチで扉を固定できる。固定中は貫通路上部に「通行禁止」のランプが点く。

連結器

住友製棒連結器。阪神電車のMMユニット間の連結によく使っている。実は2000の連結改造担当は武庫川。

台車

遠鉄とここしかない，SIG式トーションバー台車。乗降により車体が揺れると，ゴッ，コクといった独特の音がする。

力行

1ノッチ=P1段，2〜4ノッチ=P2〜P10まで自動進段，5ノッチ=弱め界磁5段

主電動機NE-30Aは2S2P接続，定格300V,118A,1000rpm(FF)，30%WF時は2100rpmで60km/h運転を支える。標準的なSS-50だと定格で950rpmなので，とんでもない高速性能！

制動

制動は10段だが，低速域の進段は各車バラツキがあるためドンツキがあり，これをショックなく止めてこそプロ。2002,3が難しいらしい

制動オフ即力行は，カム接触器の反応が鈍い。ほとんどのM氏はレバーサ断で対応。ただし制輪子が合成なので，路面電車の空制としては大甘であり要注意。Sカーブでのテクは実車でご確認願いたい(阿品東−地御前，宮内−楽々園，草津南−草津など)

ME-36ブレーキ弁は，阪急2000〜3000や東武8000と同じ鉄道線仕様。

広告灯

車側2箇所に蛍光灯照明付広告板が残っている。

広告板は白色のアクリル板がベースで，塗装や彫刻，不透明な板を貼り付けることにより広告を描いている。広告板上部のやや太くなっている箇所に蛍光灯を内蔵しており，夜間点灯すると，光がアクリル板を透過して全体が明るくなり，広告は透過しないので浮き上がって見えるという仕組みである。

550型〜2500型に設置していたが，最近は街が明るくなったこと，構造物の腐食が進んだことから2000型以外では撤去しており，2000型も現在はほとんど広告が入っていないのは残念。

3100型

外観

製造は昭和36年のナニワ製と昭和39年自社製がごちゃ混ぜ

正面中央窓の窓枠があるのが3101，方向幕の角の丸みがすくない。正面中央窓のRが小さいのが3102，Rがやや大きいのが3103

正面両側窓で上段固定/下段上昇式がナニワ製，上段下降/下段固定が自社製

C車の側面の窓配置が違うのは，基本中の基本？ドアが連接面により近いのは，山側か海側からか，さてどっちだ！(ヒントC車は全てB車を改造)

パンタは2000,3100は全車阪急のお古の東芝製だが，3102のみシュウが東洋電機製造タイプに改造済みのやつ。

内装

連接台車にモータを設置したが，リード線があたるので連接部のターンテーブルが高くなっている。車掌台がスロープのままなのが3101，その他は台をつけて水平に

網棚は，ほんまの網を使っているのがナニワ製，パイプ式は自社製。

扉

自社製は鉄板ドア，ナニワ製はペーパーハニカムドア。ペーパーハニカムドアは新幹線や私鉄電車，バスの中扉ではおなじみだが，これは最初期の製品。鉄板ドアがガラガラと音を立てるのに対し，ハニカムドアはコポコポという感じ

走行中に扉操作しても，インタロックにより扉は開かず制御も切れない。

座席

A車のかぶりつき席は，床下に抵抗器があり，冬でも暖かい

A車中央付近でブーンという音がするのは最近つけたファンで，誘導分路を冷やしています。

力行

1ノッチ=P1段，2〜4ノッチ=P2〜P11まで自動進段，5ノッチ=弱め界磁5段

編成あたりの主電動機は6個。両端台車の主電動機，制御器の接続は2S2P，中間台車は2S。2車体連接の改造のためこんな変則的に。

制動

制動は11段で中間台車は2S接続のため電制なし，1コントなのでドンツキはないが，空制に頼ることになるのでブレーキ甘い。